ガザ北部への住民帰還始まる ハマス、30日にも民間女性解放へ
(VOVWORLD) - イスラエルとイスラム組織ハマスの停戦が続くパレスチナ自治区ガザ地区で27日、ガザ北部への避難民の帰還が認められました。幹線道路では食料や家財道具を運びながら北部に向かう多くの住民の列が見られました。
ガザ北部は2023年10月に始まった戦闘の中で激戦地となり、大規模な空爆が繰り返されていました。このため、住民の大部分は南部へ避難し、テントや仮設施設で生活を送っていました。中部デルバラーで3日間帰還を待っていた男性はAP通信の取材に対し、「(中東戦争で故郷を追われた)先祖のように、私たちももう戻れないと思っていた」と喜びを語りました。
停戦合意によれば、ガザ北部への帰還は、25日にハマスが生存している人質の民間女性(29)を引き渡した後に認められる予定でした。しかし、ハマスはその日に先行して女性兵士4人を解放し、イスラエルはこれを「停戦合意違反」として反発しました。これにより北部への住民の帰還が一時認められない状態が続いていました。
停戦交渉を仲介しているカタールなどの発表によりますと、ハマスは26日、この女性を含む人質3人を30日に解放することに同意しました。これを受け、イスラエルは27日朝に住民の北部への帰還を容認しました。さらに、ハマスは2月1日に予定されていた人質3人の解放も予定通り行う見込みです。
今回の住民帰還は停戦プロセスの中で大きな進展とされており、ガザの安定化に向けた新たな一歩となっています。(毎日新聞)